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心のグローバル・コミュニティーを目指して...
 


 



 
現在進行中のプロジェクト クメールシルクde村おこし 手織りシルクの村 織物/染色研究




 Shien Tokyoでは、現在、「クメールシルク de 村おこし」事業計画に基づいて、
 村の自立に協力するため、特定非営利活動法人CEALOグローバル・ハーモニー・
 ジャパンの国際協力人道支援活動に参加し、村の現地調査や、シルク織物と染色
 について研究を行いながら、技術指導を行っています。

 そして、このクメールシルク生地を日本のみなさんに紹介し、協力参加を呼びかけ、
 発展途上国の村で、伝統産業による、心身ともに自立した新しい経営モデルの確立を目標に
 事業を進めています。



■美しい手織りシルクの故郷










Shien Tokyo の国際協力*プロジェクト事業概要

◆Project名◆ クメールシルク de 村おこし

◆Projectの目的◆


国際協力NPO(CEALOグローバル・ハーモニー・ジャパン:以下GHJ)が行う、手織りでシルク生地を
生産しているカンボジアの村の人道支援に協力参加し、現地で直接村への技術、品質管理、
マネジメント等の指導を行い、貧しい村でも心身ともに自立した経営を行えるモデルづくりを
目標に支援し、同時に、その村の手織りシル クを日本国内で紹介、又は加工するなど
有効活用し、手織りシルクの素晴らしさを伝え、村の自立支援協力を呼びかけます。

また、このシルクや村支援に関心のある日本の人々を対象に、シルクを使った手作り教室や
バザー品製作のサポートを行い、チャリティーイベント等につなげ、ボランティア活動を応援し
チャリティー収益や事業協力募金を人 道支援事業活動に還元し、
村の経済的自立への援助を行うことを目的とします。


◆Projectの内容◆


1.継続して人道支援活動に参加し、現地での調査と技術、品質管理、マネジメント
  指導などを行います。


  @ 染料、染色、水についての調査、指導
  A 労働意欲、衛生管理、技術、製品管理の指導
  B 村の人たちの自発的な市場(取引先・ユーザー)を意識した品質向上の指導
  C 現地NGOと独自製品の開発と流通の協働研究


2.クメールシルク生地の研究、普及、推進につとめます。

  @ 日本国内でのファッションショー、展示会、チャリティー等 によるシルク紹介と協力、
    参加の呼びかけ
  A 織物、染料、染色、水についての調査研究
  B 縫製技術訓練を通じた自立支援につながる独自手作りブランドの開発と普及活動


3.シルク生地を使った奉仕活動を啓発し、推進します。

  @ 主婦や一般人等を対象に、シルク生地を使った衣類、小物等の手作り教室開催
  A チャリティーイベント企画への手作りを通じたボランティア参加を応援


4.途上国と日本で自立を目指す人々の 『Shien』ネットワークの構築をめざします!

  @ 積極的なボランティアを対象に研修や現地視察を実施、途上国とのつながり推進 
  A 日本国内における社会貢献(心の豊かさ)と経済的自立の両立の研究と実践
  B 国際協力学習/心の平和学習会等開催








Shien Tokyo が「クメールシルク de 村おこし」という事業を行っているのは、カンボジアの
カンダル州にある、プレックレイ村という小さな村です。

この村の唯一の産業が手織りシルクで、ほぼ全世帯に木製のはたおり機があります。
家は高床式の竹や木製の建物で、1階部分にはたおり機をおいて作業をしています。

















この村を最初に訪れたとき、
「プノンペンのような町にはいきたくない」、
「自分達は貧しくても家族や親戚と一緒に村で織物をやって幸せだ」
と村の人たちは言っていたそうです。
親から子へ、子から孫へと、この村で生まれ育った若い人たちが手伝いをして
一緒に暮らしていることも、この村の良いところだと思います。


川ぞいに位置し、木製の手漕ぎボートが村の外にでかける交通手段です。
NPOの支援が無いときは、プノンペンまでバイクにシルクを乗せ、
ボートとフェリーを乗り継いで市場に売りにでかけているそうです。

NPO-GHJの支援の始まりは、村の人たちが村で幸せにやっていること、
子ども達の将来も村で織物が続けられることを願い実行していること、
そして自分達で売りに行くことで何とかやりくりできていたことだそうです。

やりくりができているのに支援の必要があるか?と疑問に思うかもしれません。
子ども達の支援を行うNPO-GHJによると、今の大人(特に今の40才前後の世代)が
ポルポト政権時代や内戦により、教育を受けられなかったことが、カンボジア
支援で一番ネックになるところだそうです。

少しでも知識、技術、なんらかの指導者的な権威(学校の先生でも)があると
見なされると殺された時代に幼少期を過ごしたこの世代の人たち...。
言葉になりませんが、さぞかし苦しかっただったろうと思います。

そうした背景から、ただ物をあげたり建物を建てる支援ではなく、子ども達支援を
行いながらも、大人の教育が必要だということです。教育とは、秩序や倫理観、
道徳観も含めてです。親の影響を直接受ける子ども達にとっては大切なことです。

まだまだ、親に虐待されたり、売られたり、教育をうけさせてもらえない
(今のカンボジアは子ども達は全員教育を受けられる)という問題がこの国には
沢山あります。貧困がゆえ、
ですが、その原因は、努力しない、働かない、もしくは、努力しても働けないからです。

悪循環の中、NPO-GHJは、モデル(お手本)作りを大事にしているようです。
全体を何とかしようとするのではなく、じっくり希望のある人たちと一つ一つ本物を
育てていくことで、子ども達の明るい未来の基盤を作ろうということです。

この村も、今はなんとかやりくりできても、やがて町に若者が流れていくようになれば
廃れていきます。文化も技術も継承されません。内戦以降、それまで誰の支援も
受けてこなかったといいますから、自分達で織物を復興させたということですから、
素晴らしいものを持っているはずです。

また、都市部が発展すれば、おのずと品質へのニーズも今後高まってくる可能性も
あるわけです。実際、毎回プノンペンの発展の早さには私も驚いているぐらい
めまぐるしいですし。設備どころか、生活水準が低い村で、時代の流れについていくのは
難しいのです。

こんなことから始められたNPO-GHJの支援に、私は非常に共感を得ると共に、この村の
子ども達に明るい未来を残したいと思うのです。

NPO-GHJには、この村のように直接支援を行う村や孤児院はたくさんあり、一度に
一つの支援先に対して集中した支援事業を行える所は限られており、ほとんどは、
それぞれの場所に長年もかけて何度も訪れながら、自立のきっかけを与え続けています。

私たち、Shien Tokyoは、自分達の専門分野を生かし、この村の伝統産業や村の人々の
生活状況をもっとじっくりと勉強させていただきつつ、現地の人々と共にこの村にある
素晴らしい伝統技術を見直し改善していく役割を担えたらと思います。












◆染色と村の人々の生活環境

シルク生地の織りと染色を行っているこの村で、生産性を追いかけんがための技術や
品質だけを優先した指導ではいけません。今、地球規模で問題になっている環境問題や
環境汚染による人体の影響は、この村とて無関係ではありません。

鮮やかな美しい色も、どんな染料を使っているのか、ユーザーの立場もあるのですが、
何よりも、この村でどんな風に処理されているのかがまず気になります。
衛生状態は決していいわけではありません。

雨季と乾季があるカンボジアでは、雨季は水害で生活ラインが止まってしまうほど
雨が降るのに、乾季まで水を蓄えておく術がない村が沢山あるといいます。

染料だけではなく、水を沢山使う染色をどうやって、どんな水で処理しているのでしょう。
また、染めた後の水の処理は???いろんな疑問があがってきます。

Shien Tokyo のメンバーで、専門家の指導も受けながら、染色・染料について研究し、
同時に、現地の染色や水について、村の人たちと共に改善すべきところがあれば、
向上させていきたいと思います。


◆生糸と織り

この村の生地を見ると、織りムラ、染めムラ、紬糸独特の風合いと言えなくもないのですが
生糸の太さがあまりにもまちまちで汚れも多いのが目立ちます。
せっかく手間隙かけて手織りをしているにも関わらず、もったいない!というのが
私たちの正直な感想。

しかし、実際にやっているのは村の人であり、材料はどこからどのように手に入れているのか、
どうやって染めて、織って、保管しているのか...etc
これもまた、さまざまな課題が見えてきます。

日本の織物やシルクはどうなのか、カンボジアの他の村のシルクはどうなのか。
生糸は買っているのか、どこかで蚕を育てたりしているのか...。そうだとすれば、そこから
どうやって生糸にしているのか...。

現地に足を運び、まずは現地での協力者、そして村の人との信頼関係を築くところから
じっくり取り組みたいと思います。


 
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